イーサリアムのコミュニティでは過去1年間で、Intent(インテント)とそれを活用したアプリケーションの議論が盛んに行われてきました。
現在のイーサリアムのTransaction(トランザクション)形式では、dApps(分散型アプリケーション)の実現したいことの限界も見えはじめています。また、MEVの問題をはじめとして、その問題を解決するための参加者が増加し、複雑化の一途を辿っています。
**インテントは、ユーザーとブロックチェーンとのやりとりの新しい形態です。**SUAVE、Anoma、ERC4337、Shared Sequencerなどの幅広い分野でインテントが採用されていく予定です。
歴史を辿ってみると、Bitcoinによって提供された第一世代のアーキテクチャーはdAppsにスクリプト可能な決済を提供しました。さまざまな特性を持つ暗号通貨の発行と決済です。カラードコインなどでプライバシーを提供するものなどが登場しました。しかし、多くの人が望むdAppsを実現するには、制限があり、実用的ではありませんでした。
次にイーサリアムが「ワールド・コンピューター」として登場しました。プログマラブルな決済アーキテクチャーを提供し、Bitcoinでは実現できなかった多くのdAppsを可能にしました。Fungible Token,、NFT、AMMなどのDeFi、DAO、オークションなどです。
インテントが登場し、今後普及していくことでこれまでは難しかったことや未解決の問題に進展が見られるでしょう。
そんなわけで、本稿では、インテントの概要、インテントのアーキテクチャーなどについてまとめていきます。
トランザクションは命令的(imperative)で、アクションを「どのように」実行すべきかを明示的に示すものです。それに対して、インテントは宣言的(declarative)で、そのアクションの望む結果が「どのようなもの」であるべきかを示すものとなります。
ある取引を例にすると、下記のように表現できます。
出典:Intent-Based Architectures and Their Risks
20ドルのピザの注文を例にインテントとトランザクションの違いを記述してみました。
また、インテントをこの領域のプレイヤーがどう定義するかを紹介します。
インテントのためのアーキテクチャーを開発しているAnomaを参考にイーサリアムのトランザクションとの具体的な違いを見てみましょう。